よくある質問：入浴剤を入れて追い焚きするのはダメなんでしょうか？
汚れや臭いでお困りのお客様から、風呂釜洗浄にお伺いして、トップクラスでよく聞かれるご質問にこのような質問がございます。
追い焚きのお風呂に入浴剤を使用するのはダメなのでしょうか？
給湯器や追い焚き機器メーカーと入浴剤メーカー両者の見解からざっくり結論を申し上げますと、
給湯器や追い焚き機器メーカー『NG』
入浴剤メーカー『OK』
といったところでしょうか！
給湯器や追い焚き機器メーカーとしては入浴剤を使用することで、循環機能に不具合が出たり、配管や給湯器内部の金属に腐食が出る可能性があるため、ほとんどのメーカーで『NG』と記載されていることが多いように思います。
実際に給湯器内部は金属だらけです！
銅の配管やゴムホースもたくさん使われています
また対照的に、入浴剤のメーカーHPにはこのような記載がありました。
Q：入浴剤は浴槽や風呂釜には安全ですか？
A：当社の入浴剤は、ご家庭で使用する濃度では湯の液性はそのほとんどが中性です。一部、弱アルカリ性、弱酸性の入浴剤もございますが、浴槽・風呂釜を傷めることはありません。浴槽・風呂釜に使用されている材質（ホーロー・ステンレス・FRP・ポリ・人工大理石・アルミ・銅）に関して試験を行っており、光沢・滑度・色・腐食において、影響を与えないことが確認されております。また、浴槽・風呂釜を傷めるイオウは入っておりませんので安心してご使用いただけます。
【注意】
1.にごりタイプや発泡タイプの入浴剤は、機種によって使用できない場合があります。ご使用の際は、機種の『取扱説明書』をよくお読みください。ご不明の点は給湯器のメーカーに確認される事をお勧めします。粉体・ブリケット製剤で白濁タイプの入浴剤をご使用の場合、まれに、風呂釜内部、配管内の湯あか等に付着したにごり成分が循環口のフィルター部分等に付着し、目詰まりを起こしたり、本体の自動停止センサーが作動して、追焚き機能が停止してしまうことがあります。ご使用後は、循環口のフィルター部分をよく水洗いしてください。
2.木製の浴槽の場合、粉体・ブリケット製剤でにごりタイプの入浴剤は、白濁成分が付着して取りにくい場合がありますので、ご使用はお避けください。
とありました。
どちらかといえば、給湯器や配管内部についてというよりは、浴室やバスタブの素材について説明しているような印象を受けます。
それならどうすればイイの？
とお考えの方も多いので、私は毎回、
『年に１回私を呼んで洗浄させてください』
とお答えさせていただいております。
なんだか釈然としない回答だな〜と感じられた方にもう少し踏み込んだお話をさせていただきます。
入浴剤にも色々な成分が含まれておりまして、簡単にご説明すると以下のような感じになります！
●：炭酸ガス（発泡タイプ）
●：硫黄成分に含まれるもの
●：塩化ナトリウムを含むもの
（※塩系の成分です）
●：炭酸カルシウムを含むもの
（濁り湯状にさせるもの）
※石灰系の成分です
※ここからは、私のこれまでの風呂釜洗浄の経験に基づいた個人的な考えであり、必ずしも入浴剤の成分によってこのような症状が出るということではなく、追い炊きの頻度やご家族の人数などによっても汚れ方は様々ですので、あくまで参考程度にお考えください。
●：炭酸ガス（発泡タイプ）
追い焚き時に発泡タイプの入浴剤を使用することで、追い焚き配管内部や給湯器内部に微細な泡が入り込んでしまうことで、エアーを噛んだ状態になり、エラー表示（エラーコード６３２）が出て追い焚きが強制的にストップしてしまう可能性があります。
電源を再度入れ直すことで、故障していない機器の場合は元通り追い焚き機能は復活します。ただし、給湯器内部に負荷がかかるため万が一このような症状が出た場合は追い焚き機能の使用を中止し、追い焚きを使用せず入浴を済ませ、配管内部や給湯器内部に発泡した泡が残らないようすぐに排水することをオススメします。
●：硫黄成分に含まれるもの
湯の花に代表されるような硫黄成分を含む入浴剤は、入浴剤メーカーHPでも風呂釜を痛めると記載がありますので、こちらは文句なし追い焚きの使用は厳禁です。
●：塩化ナトリウムを含むもの
（※塩系の成分です）
上記の写真のように給湯器内部は金属だらけです。
自転車など金属製品が海の近くだと錆びやすいのと同じで、給湯器内部の金属部品の腐食を促進してしまうためやはり追い炊きの使用はオススメできません！
最近では配管も樹脂管やポリ管などと呼ばれる配管が主流ですが、以前は配管に鉄や銅などが使われており、これはそういった配管から出た汚れというより、金属のサビが風呂釜洗浄によって大量に排出された様子です。
浴槽内部に出てきたサビた金属片！
給湯器内部の部品の可能性あり
循環アダプターに給湯器内部の部品と思われる金属片が詰まっていたことによって付着したと思われるサビ
●：炭酸カルシウムを含むもの
（濁り湯状にさせるもの）※石灰系の成分です
循環アダプターと呼ばれるバスタブ内部のお湯が出てくるところの内部に石灰質の汚れが溜まったりというのはよく見られる症状です。
また、温泉のような少し粘りのあるお湯になる製品が多く、皮脂や汗などの汚れを配管内部に留まらせやすい傾向が見られます。
石灰化で固着したカルシウムによる汚れ
簡単に入浴剤と追い焚きについてご説明させていただきましたが、現場での経験から申し上げますと、
入浴剤を入れて追い焚きも使用されているご家庭の方が、何も入れずに入浴している場合と比較すると、風呂釜や追い焚き配管の大半は圧倒的に汚れています！
今までのお客様から伺ったお話から総合的に判断すると、入浴剤をご使用になられるご家庭ではお風呂好きの傾向が強く、入浴時間が長く、追い焚き回数も多い傾向がみられます。
そのため、長風呂と入浴剤との相乗効果で血行が良くなるなどして入浴中に汗や皮脂をはじめとした老廃物が浴槽内により多く出ている可能性も十分に考えられますし、利用頻度そのものが多いといった可能性も否定できません。
そのため、入浴剤を入れて追い焚きを循環させない場合は問題ありませんが、入浴剤を入れて追い焚きを利用される方は、故障してしまった場合はメーカーの保証対象外となるケースもございますので、あらかじめご家庭の機種に関する保証内容を確認し、機器の不具合が発生する前に定期的なメンテナンスを心掛ける事をオススメします。
市販の洗浄剤では除去できない風呂釜や追い炊き配管内部の汚れを、年に１度はプロによる本格洗浄で、安心安全なお風呂ライフを！
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